遺伝子治療の特徴

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がん遺伝子治療の特徴としては、いろいろあります。

  1. 副作用が少ない・・・
    発熱・血圧低下(解熱剤や少量ステロイド処置にて軽減または消失します)
  2. 正常細胞に影響を与えない・・・
    正常細胞は、がん抑制遺伝子をすでに持っているので導入されても影響がでません。
  3. 抗がん剤や放射線の効果を増強させる・・・
    抗がん剤や放射線は、がん細胞の遺伝子に作用してがん細胞を死に追い込みます。この機序はがん遺伝子治療と類似しているので、がん遺伝子治療は抗がん剤や放射線の効果を増強させたり、その使用量を減らしたりすることができます。
  4. 細胞レベルでもがんに対処・・・
    点滴投与するため治療タンパクは血管やリンパ管より全身すべてに広がり(マイクロ転移部も)治療していきます。
  5. 前がん状態にも対処・・・
    前がん状態も遺伝子の異常によるもので、がんと同様にがん抑制遺伝子が作用して、細胞を死に追い込みます。
    (つまりがんの発生予防薬としての効果の可能性もあります。)
  6. 治療適応範囲が広い・・・
    がん治療としての抗がん剤や放射線療法との併用・がん手術後や完治したと思われる、がん(白血病など)の再発予防・末期がんの延命として副作用が少なく、がん腫の縮小や増大を軽減する効果・抗がん剤の副作用が強い人の抗がん剤を減らした治療との併用・手術前の抗がん剤などの効果増強・発がん状態の予防・多発がんの予防 など、がんまたは前がん状態まで幅広くどの時期でも適応できる。
  7. がんの種類を問わない・・・
    全て何処の場所のがんでも、そのがん細胞は遺伝子の損傷による遺伝子異常があり、がん抑制遺伝子の作用が弱まっていて自滅できないことが原因であることから、発生場所は違うけれど、遺伝子情報やがん発生機序は同じなので、がん遺伝子治療は有効性を示します。
  8. 点滴投与なので場所を選ばない・・・
    がん遺伝子治療は、副作用も殆どなく特殊な施設や機械も必要としないので、何処でも施行できる点滴治療です。

手術後の追加治療に最適

がんは小さいうちに治療して叩き潰すのが原則です。戦う敵は大きいより小さい方が良いのです。がんの手術をした時、取り切れなかった場合や、遠隔転移があるのは解っているが、原発巣だけは手術したなどの場合以外は、手術後の残存がん細胞はないと考えられますが、この様なケースでも再発は充分に考えられます。

細胞レベルの浸潤やリンパ節転移や検査でわかる大きさに満たない小さな遠隔転移があるからです。再発は新たにがんができたのではなく、細胞レベルで残っていたがん細胞が検査で分かる大きさになったにすぎないからです。

この手術直後の再発手前の小さな細胞レベルの時に、がんを消滅させるのが一番効果ある再発予防です。当然、一般的には再発を疑う時、正常細胞に影響あるが抗がん剤や、放射線を追加治療することがありますが、それでも残存がん細胞を消滅させることが出来ず、再発することもあるのです。また医師が軽視していて術後に抗がん剤などを使わず、(または軽い抗がん剤だけの投与で)再発してしまうこともあります。

がん遺伝子治療は副作用も殆どなく、正常細胞に影響を与えませんし、抗がん剤や、放射線の効果も増強させるので手術後の小さな残存した、がん細胞の有無に関わらず、併用することで、再発率を低下させる効果が期待されます。がん遺伝子治療はがんの再発予防に最適な治療法と考えられるのです。

発生予防(再発予防・癌発生予防)にも適応

がんになり易い体質(遺伝)はまだ解明されていない部分が多々ありますが、近年では徐々に、そのメカニズムが解明され始めています。がんの発生はその前段階として前がん状態を経由してがんとなり、前がん状態は遺伝子の異常(がん抑制遺伝子が働かない)がみられますが、がん遺伝子治療は、がん抑制遺伝子を導入させるので前がん状態の細胞も死滅させることができます。

前がん状態は遺伝子の異常(がん抑制遺伝子が働かない)がみられますが、がん遺伝子治療は、がん抑制遺伝子を導入させるので前がん状態の細胞も死滅させることができます。副作用が少ないがん遺伝子治療は将来がんの発生予防にも適応できる事になるかもしれません。

また再発の中には 残存がん細胞からの再発でなく、この前がん状態が再度作られて発生したものもあると考えられます。

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