遺伝子とは

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ひとつの細胞(受精卵)が人間のはじまり

挿絵1すべての生き物のからだは、細胞からでできています。精子と卵子が受精した受精卵、つまり、父親と母親から半分ずつ遺伝子情報をもらった、ひとつの細胞が分裂を繰り返し、約60兆個もの細胞のかたまりになったものが人体なのです。

細胞は、早いものでは1日、遅いものでも半年で死を迎えます。人間は60兆個の細胞を維持する為に日々、死滅した細胞を新しい細胞に入れ替えているのです。つまり半年前に生きていた細胞は現在、殆ど生存していないことになるのです。

遺伝子のふたつの重要な役割

挿絵2すべての細胞は、同一の遺伝子情報をもち以下の、重要な役割を担っています。

・子孫を残す役割
・生命の設計図

生まれてから、老いて、死ぬまでの生命活動の情報が組み込まれ子孫へと受け継がれていきます。また、ひとのからだの設計も、遺伝子の情報によって作られています。


どのようなタンパク質から、どんな細胞をつくり、どんな組織や臓器を作るのかまで、すべてを遺伝子が決定しているのです。

ノーベル生理学医学賞を受賞したことで有名な、山中伸弥教授が開発した、iPS細胞については、皮膚細胞などに特異ないくつかの遺伝子を組み込み、どのような組織や臓器をも作ることができる細胞を開発しました。ここでも、遺伝子が大きく関与しているのです。

遺伝子はDNAが複製されることで次世代へと受け継がれる

細胞は分裂することでその数を増やしますが、中に入っている遺伝子も分裂前の細胞と全く同じものを受け継いでいます。つまり、細胞は分裂の前に一揃えの遺伝子をコピーすることで2倍に増やし、分裂の際にそれぞれの新しい細胞へ、格納しているのです。

この遺伝子を2倍に増やす作業を「DNAの複製」といいます。

細胞分裂

挿絵3


人の全身の細胞数は約60兆個であり、ひとつの細胞に含まれる遺伝子情報の長さは、1.8mから2.0mあります。そのことを踏まえると、ひとの体のDNAの長さは、1,200億kmにも及びます。その距離は地球と月を16,000往復し、地球と太陽では、40往復することができる長さなのです。

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