私たちのからだの中では毎日、がん細胞がつくられています
私たちのからだの中では、日々、1,000個~2,000個の、がん細胞が作られていると考えられていますが、健康な状態では、がん細胞はからだの中から、全て消去されるので、がんになることはありません。
ここでも、遺伝子が大きく関わりをもっています。
遺伝子は、1日1細胞あたり5万~50万程度損傷を受けていると言われています。
遺伝子は常に傷つき、それを自己修復していますが、修復が追い付かず、損傷が蓄積すると細胞は老化して自己死滅を起こします。
遺伝子修復速度と遺伝子損傷速度には大きな関係があり、もし遺伝子修復が追いつかない場合は、以下のいずれかの状態に陥ることとなります。
- 老化(細胞老化)という細胞の休眠状態
- アポトーシスという細胞の自殺
- がん化(アポトーシスに追い込むことができずに無限増殖が始まる)
病気も遺伝子(DNA)が関係している
細胞の老化と共に、遺伝子損傷の感受性が増加して、さらに遺伝子の修復が追いつかなくなって、遺伝子損傷部位が蓄積する。その結果、生命維持を するための蛋白質合成が、減少して細胞自体が損傷を受けるようになり、細胞は死滅する。体の各器官において、多くの細胞がそのような 状態になると、器官自体の能力を弱め病気になります。
長寿とDNA修復(寿命に関係する遺伝子)の話
100歳以上の日本人においてミトコンドリアの遺伝子型は遺伝子損傷を受けにくい型のものが多いようです。
殆どの寿命に関連する遺伝子は 遺伝子損傷の頻度と関係しており、これらの遺伝子は以下のいずれかに関わっています。
- 遺伝子修復速度の上昇(DNA損傷の修復が速い)
- 抗酸化能の生産速度を増加(活性酸素などを抑える)
- 酸化能生産の速度を減少(活性酸素を作り難くする)
寿命に関係する遺伝子の作用が弱い場合、遺伝子の修復が遅れて、結果、遺伝子の損傷頻度が増加します。つまり長生きする人は活性酸素が低く、遺伝子損傷頻度が低いということが言えるのです。