遺伝子治療の今後

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進化する遺伝子治療

遺伝子の解明と共に遺伝子治療も日々進化しており、5年前の遺伝子治療と、現在の遺伝子治療とでは、治療効果も大きな差が出ています。

遺伝子治療の進化は大きく分けて2種類あります。

  1. より効果的な遺伝子治療タンパクの開発・製造
  2. 新しい疾患に対する遺伝子治療の開発

遺伝子治療を行うからには、治療タンパクを使用する機関は、この進化についていくことが重要なポイントになります。

高齢になると

高齢になるといろいろな細胞の老化現象が出始めます。これも遺伝子による関与が大きく考えられています。高齢により出現する病態の代表として、がんとアルツハイマー病があります。短命の国では少ない疾患です。これは高齢により遺伝子の機能が低下したり、遺伝子損傷の修復ができなかった結果、発生する病気です。

また動脈硬化や心・血管性疾患も年齢と共に進行する病気の一つです。

いろいろな病気に対する遺伝子治療

アルツハイマー病は、老化と共に増加していきます。原因としては大脳皮質にアミロイドβが沈着することより起こりますが、その原因はアミロイドβを分解する酵素(ネプリマイシン)が60歳ぐらいから減少することから引き起こされます。

現在、ネプリマイシンをウイルスベクターに投入して脳内に導入する研究がされています。遺伝子治療は副作用がないので、アルツハイマー病の治療ばかりでなく、予防にも使うことができます。2~3年後には完成するかもしれません。

糖尿病や動脈硬化についても同様であり、病気のほとんどが遺伝子の老化や損傷によって起こることから、遺伝子治療の進化は、多くの病気の治療法を大きく変える可能性を秘めています。

糖尿病を引き起こす遺伝子の解明も徐々にされてきています。当然環境因子として肥満・過食・ストレス・高脂肪食・運動不足・喫煙など関与しますが、親から貰った遺伝情報もかなり作用します。遺伝子の解明と共に、インスリンを産生させるような治療タンパクも研究開発されつつあり、数年のうちには糖尿病治療に有効な複合遺伝子治療タンパクが作られるでしょう。

単一遺伝子疾患とは遺伝病であり優性遺伝や劣性遺伝があり先天性に発現するものから後天性に発現するものまであります。現在、遺伝子検査で検査できる疾患(遺伝子の解明済み)は500以上あります。遺伝子は日々解明されており、その遺伝子治療薬も日々研究され進歩していのです。
動脈硬化にはいくつかの種類がありますが、アテローム性動脈硬化が殆どを占めます。これは、動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生し、血管内皮が悪玉コレステロールなどで傷つき血管内膜下にリポ蛋白が蓄積することで起こります。

長時間で成長し血管の狭窄を起こしたり(狭心症)血栓を飛ばして梗塞を起こしたり(心筋梗塞・脳梗塞)することとなります。とくに糖尿病・高血圧・喫煙では動脈硬化が進行しやすいです。

この変化を起こした血管に対して正常な機能を回復させようとアメリカでは遺伝子治療を研究しています。閉塞性動脈硬化症(下肢の末端で起こる)に対しても、新生血管を作る遺伝子治療が行われているのです。

先端医療医薬開発機構では常に情報を取得してより良い治療タンパクを供給できるように日々努力しています。またアメリカや日本で開発された良き治療タンパクを一人でも多くの患者さまに供給できるように 幾つかの開発チームと協力体制をとっています。

遺伝子検査も進化している

遺伝子の新しい解明は毎日と言って良いほどされており、これからもいろいろな病気に対する遺伝子が解明されていくでしょう。現在、遺伝子検査の最前線では500以上の病気の遺伝子検査ができるようになりました。検査方法は口腔内をスポンジのようなもので軽くこすり、脱落した細胞より遺伝子情報を検査する方法です。

遺伝子疾患の撲滅に向けて

先端医療医薬開発機構では先進したアメリカの遺伝子・染色体の検査機関と連携して、いろいろな検査もしています。先端医療医薬開発機構では単一遺伝子疾患の撲滅も考え、受精卵の着床前診断(通常は染色体異常検査)の時に取った細胞の遺伝子情報から500以上の遺伝子疾患をしらべ異常のない受精卵を着床させることができます。これにより生前から遺伝子疾患を撲滅することができます。

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