がん遺伝子治療のできること | 一般社団法人　先端医療医薬開発機構

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がん遺伝子治療の適応範囲

がん遺伝子治療は正常細胞に影響を与えないで副作用も少なく、抗がん剤や放射線の効果を増強させ、耐性もないことにより、適応範囲は広くどの段階でも使用できます。
また、すべてのがんが、遺伝子の異常から始めるので、がん遺伝子治療は、すべてのがんに共通して使用することができます。

挿絵１

①末期がん
強い抗がん剤や放射線は使用できない。遺伝子治療では腫瘍を消滅させることはできないが、副作用や耐性がなく、増殖を軽減できるので末期がんの延命効果としては期待できる。

②再発がん
治療もむなしく再発してしまった場合、抗がん剤の耐性や治療の効果不足が考えられます。抗がん剤や放射線との併用治療はお互いの効果を増すことができる。

③手術後の抗がん剤や放射線などの追加治療をしている場合
残存がん細胞に対して放射線や抗がん剤の効果を増強させるがん遺伝子療法は、更に有効性を増加させ、再発率を下げることができる。

④手術して追加治療をしない症例からも再発することがある。
初期のがんや限局したがんに対して遠隔転移はないだろうと判断して正常細胞に影響を与えるような抗がん剤などは使用しないのが通常です。しかし手術時には見つからなかったマイクロ転移や手術したがんの周囲転移で再発することがあります。このようながんの再発率を下げる意味でも正常細胞に影響を与えないがん遺伝子治療は有効であると考えられる。

⑤進行していて手術できない場合
抗がん剤や放射線の適応となり、この効果を増強するがん遺伝子治療の併用は有効な治療法である。

⑥抗がん剤で対応するがん（多発性骨髄腫や白血病）
病態的には全く違う形態だが、遺伝子的には共通しているので、がん遺伝子治療は、全てのがんに有用である。

⑦白血病や多発性骨髄腫は寛解しても再発
再発予防にがん遺伝子療法の追加治療は再発率を低下させることができると考える。

⑧がんを多発する方や前がん状態を繰り返す方
がんを多発する（重複がん）方や前がん状態を繰り返す（大腸ポリープ）方の発症においても病態的には遺伝子の異常（がん抑制遺伝子の機能低下）から発がん状態は起こっているので、このような方にも正常細胞に影響を与えないがん遺伝子治療は有効と考えられる

⑨がん遺伝子治療との併用
PETや検診などで見つかるがんの大きさはだいたい1.0cmを超えている。
現在がん遺伝子検査でがんのリスク検査を行うと早い人では3ｍｍ程度の前がん状態でも陽性を示すことがある。がん腫が存在すると確定されたわけではないがこのような検査陽性の方にも正常細胞に影響を与えないがん遺伝子治療は有効である。